はじめに|感覚ではなく、論理で考える

センパイ、最近仕事でミスが多くて落ち込んでるんです

どんなミスが多いんだい?

それが…なんとなくうまくいかないというか、何が原因かわからなくて

なるほどね。それは論理的思考が足りてないのかもしれない。今日は問題を解決する思考の型を教えよう
多くの人が問題に直面したとき、感覚や直感だけで判断してしまう。なんとなくこうかな、多分これが原因だろう、という曖昧な考え方では、根本的な解決には至らない。
論理的思考とは、物事を筋道立てて考え、原因と結果の関係を明確にする思考法。この思考の型を身につければ、どんな問題でも冷静に分析し、最適な解決策を導き出せるようになるんだ。
論理的思考とは何か
論理的思考の基本構造
論理的思考は、以下の3つの要素で構成される。
- 前提(事実):何が起きているのか
- 推論(考察):なぜそうなったのか
- 結論(判断):だから何をすべきか
この3つを明確に区別することが、論理的に考える第一歩なんだ。
非論理的な例:
なんか最近調子悪い。多分疲れてるんだろう。休もう。
論理的な例:
【前提】ここ1週間、毎日22時以降まで残業している
【推論】睡眠時間が5時間を切り、疲労が蓄積している
【結論】今週は定時で帰り、睡眠時間を7時間確保する必要がある
違いがわかるだろうか?後者は、事実をもとに論理的に考え、具体的な行動を導き出している。
なぜ論理的思考が必要なのか
感情や直感だけでは限界がある
人間は感情の生き物だ。でも、感情だけで判断すると、間違った結論に至ることが多い。論理的思考は、感情を排除するのではなく、感情と事実を切り分けて考える技術なんだ。
再現性がある
論理的に考えて成功した方法は、他の場面でも応用できる。一方、直感だけで成功した場合、なぜうまくいったのかがわからず、再現できない。
論理的思考の基本ツール|問題解決の型
ツール1:WHYツリー(原因を深掘りする)
問題の根本原因を見つけるために、なぜ?を繰り返す方法だ。

このように深掘りすると、本当の問題は筋トレが続かないことではなく、タスク管理の問題だとわかる。

なぜを繰り返すだけで、こんなに見えてくるんですね!

そうなんだ。表面的な問題だけを見ていても、根本的には解決しないんだよ
ツール2:ロジックツリー(選択肢を整理する)
問題を要素に分解し、構造化する方法だ。

このように分解すると、どの選択肢が自分に合っているかが明確になる。
論理的思考を体系的に学びたいなら、ロジカルシンキングや問題解決に関する書籍を読むのが最も効率的だ。1冊の本で、ビジネスパーソンが何年もかけて身につける思考法を短期間で習得できる。特に若いうちに論理的思考の基礎を固めておけば、仕事でもプライベートでも一生使えるスキルになるんだ。
ツール3:MECE(モレなくダブりなく)
選択肢を考えるとき、モレなくダブりなく整理する考え方だ。
悪い例(ダブりがある)
- 筋トレ
- 有酸素運動
- ランニング(有酸素運動と重複)
良い例(MECEになっている)
- 筋トレ
- 有酸素運動
このように整理することで、考えるべきことが明確になる。
論理的思考を使った問題解決の5ステップ
ステップ1:問題を明確にする
まず、何が問題なのかを具体的に定義しよう。
悪い例
仕事がうまくいかない良い例
プレゼン資料の作成に毎回8時間以上かかり、他の業務が圧迫されている
問題が明確でなければ、解決策も曖昧になる。
ステップ2:事実を集める
感情や推測を排除し、客観的な事実だけを集めよう。
事実の例
- 先週のプレゼン資料作成:9時間
- 先々週のプレゼン資料作成:8.5時間
- 他の同僚の平均作成時間:4時間
数値化できるものは、必ず数値で把握する。
ステップ3:原因を分析する
WHYツリーやロジックツリーを使って、原因を分析しよう。
なぜ時間がかかるのか?
- 資料の構成を考えるのに時間がかかる(3時間)
- デザインに時間がかかる(2時間)
- 何度も修正が入る(3時間)
最も時間がかかっている部分を特定することが重要だ。
ステップ4:解決策を考える
原因がわかったら、それぞれに対する解決策を考えよう。
問題:構成を考えるのに時間がかかる
- 解決策:テンプレートを作る
- 解決策:過去の資料を参考にする
- 解決策:構成の型を学ぶ
問題:デザインに時間がかかる
- 解決策:デザインツールを使う
- 解決策:既存のテンプレートを活用する
問題:何度も修正が入る
- 解決策:最初に上司に方向性を確認する
- 解決策:ドラフトの段階でフィードバックをもらう
複数の解決策を出すことで、選択肢が広がる。
効率化のためのツールやテンプレートに投資することも、時間を買うという意味で非常に有効だ。プレゼン資料のテンプレート集や、デザインツールの使い方を学べば、作業時間を半分以下に削減できることも珍しくない。
ステップ5:実行して検証する
解決策を実行し、効果を測定しよう。
実行計画:
- 今週:テンプレートを3パターン作成
- 来週:テンプレートを使って資料作成
- 結果測定:作成時間が5時間以内になったか
前回学んだ仮説思考と組み合わせることで、より確実に問題を解決できるんだ。
論理的思考の落とし穴と対策
落とし穴1:分析ばかりで行動しない
論理的に考えすぎて、完璧な答えを求めてしまう人がいる。でも、100%正しい答えなんてないんだ。
対策:
80%の確信があれば行動する。残りの20%は実践しながら修正する。
落とし穴2:感情を完全に無視する
論理だけで考えると、人間味がなくなってしまう。
対策:
論理で分析した後、自分の感情や価値観も考慮に入れる。
例えば、論理的にはA社に転職すべきだとしても、直感的にB社の方が合っていると感じるなら、その感情も無視しない。論理と感情のバランスが大切なんだ。
落とし穴3:データに頼りすぎる
数値化できないことも世の中にはたくさんある。
対策:
定量的データと定性的情報の両方を見る。
人間関係や価値観など、数値化できないものも重要な判断材料になる。
論理的思考を鍛える日常習慣
習慣1:なぜ?を口癖にする
日常の中で、なぜ?と問いかける習慣をつけよう。
- なぜこの商品は売れているのか?
- なぜあの人は仕事が早いのか?
- なぜこの方法がうまくいったのか?
この習慣が、論理的思考の基礎を作る。
習慣2:結論から話す
普段の会話で、結論から話す練習をしよう。
悪い例:
昨日Aさんと話して、それでBさんにも相談して、色々考えたんですけど…
良い例:
結論としては、C案で進めるべきだと思います。理由は3つあって…
結論から話すことで、自分の考えも整理される。
習慣3:ノートに書いて考える
頭の中だけで考えず、紙やノートに書き出そう。
書くことで思考が可視化され、論理の穴が見えてくる。論理的思考とノート術を組み合わせることで、思考力は飛躍的に向上するんだ。
まとめ|論理的思考で問題を解決する

なるほど。論理的思考って、型があるんですね

そうなんだ。感覚だけで考えるのではなく、型に沿って考えることで、誰でも論理的に考えられるようになる

でも、慣れるまでに時間がかかりそうだな・・・ハハっ・・

最初は時間がかかるけど、習慣にすれば自然にできるようになるよ。まずはなぜ?を5回繰り返すことから始めよう

わかりました!今から実践してみます!
いいね。次回は、論理的思考をさらに深める批判的思考について教えよう
今日のポイント:
- 論理的思考は、前提・推論・結論の3つで構成される
- WHYツリー、ロジックツリー、MECEを使いこなす
- 問題解決は5ステップで進める
- 分析だけでなく、行動することが大切
- 日常の中でなぜ?と問いかける習慣をつける
論理的思考を身につければ、仕事でもプライベートでも、あらゆる問題を冷静に解決できるようになる。次回は、その論理をさらに深める批判的思考について学んでいこう。
次回予告:【思考力 第6回】批判的に考える|常識を疑い、本質を見抜く思考法

