はじめに|当たり前を疑う勇気

センパイ、仕事で先輩に言われた通りにやってるんですけど、なんか違和感があるんですよね

その違和感、大切にした方がいいよ。今日は批判的思考について教えよう

批判的思考って、人を批判するってことですか?

違うんだ。批判的思考とは、常識や当たり前を疑い、本質を見抜く思考法なんだよ
私たちは日々、多くの情報や常識に囲まれて生きている。でも、その中には間違った情報や、時代遅れの常識も混ざっている。批判的思考を身につければ、表面的な情報に惑わされず、物事の本質を見抜けるようになるんだ。
批判的思考とは何か
批判的思考の本質
批判的思考(クリティカルシンキング)とは、物事を鵜呑みにせず、多角的に考え、本質を見抜く思考法だ。


つまり、より良い判断をするために、深く考える技術なんだ。
なぜ批判的思考が必要なのか
情報が溢れる時代だから
現代は情報過多の時代。正しい情報もあれば、間違った情報もある。批判的に考えなければ、簡単に誤った情報に踊らされてしまう。
常識は時代とともに変わる
昔の常識が、今では非常識になっていることは多い。批判的に考えることで、時代遅れの常識に縛られず、自分の頭で判断できる。
より良い選択肢が見つかる
表面的に考えるだけでは見えない、より良い選択肢が存在することがある。批判的思考は、その選択肢を見つける鍵なんだ。
批判的思考の5つの視点
視点1:前提を疑う
多くの議論には、疑われない前提が隠れている。その前提を疑うことが、批判的思考の第一歩だ。
例:筋トレは毎日やるべき
前提:筋トレは毎日やった方が効果的
疑問:本当に毎日やる必要があるのか?調べてみると、筋肉には休息が必要で、実は週3〜4回の方が効果的だとわかる。このように、当たり前だと思っていることを疑うんだ。

批判的思考を学ぶには、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの専門書を読むのが効果的だ。大学や企業で教えられている思考法を、体系的に学べる。特に若いうちに批判的思考を身につければ、情報に踊らされず、自分の頭で考える力が一生の武器になる。
視点2:情報源を確認する
情報の信頼性は、誰が発信しているかで大きく変わる。
チェックポイント
- この情報は誰が発信しているのか?
- その人に専門性はあるのか?
- バイアス(偏り)はないか?
- 他の情報源と一致しているか?
例えば、サプリメントの効果を、そのサプリを販売している会社が発信している情報だけで判断するのは危険だ。第三者の研究結果も確認する必要がある。
視点3:論理の飛躍を見つける
主張と根拠の間に、論理の飛躍がないかチェックしよう。
論理の飛躍の例
主張:この商品は100万個売れているから、絶対に良い商品だ
飛躍:売れている=良い商品、とは限らない

売れている理由は、マーケティングが上手だっただけかもしれないし、安かっただけかもしれない。主張と根拠の間の論理をチェックするんだ。

センパイ、でもこういうの考えるの疲れそうですね

確かに最初は疲れるけど、習慣になれば自然にできるようになるよ。そして、騙されなくなるから、結果的に時間もお金も節約できるんだ
視点4:他の視点を考える
一つの視点だけでなく、複数の視点から考えてみよう。
例:早起きは良いこと?
- 視点A:早起きは健康に良い、生産性が上がる
- 視点B:体質によっては夜型の方が合っている人もいる
- 視点C:睡眠時間を削ってまで早起きするのは逆効果
このように、複数の視点を持つことで、よりバランスの取れた判断ができる。
視点5:データを疑う
数字やデータも、鵜呑みにしてはいけない。
データを疑うポイント
- サンプル数は十分か?
- 調査方法は適切か?
- 都合の良いデータだけを選んでいないか?
- 相関関係と因果関係を混同していないか?
例えば、10人に聞いたアンケートで90%が良いと言ったと聞いても、サンプル数が少なすぎて信頼できない。
批判的思考の実践ステップ
ステップ1:主張を明確にする
まず、何が主張されているのかを明確にしよう。

主張が明確でなければ、検証もできない。
ステップ2:根拠を確認する
その主張には、どんな根拠があるのかを確認しよう。
確認ポイント
- 科学的根拠はあるか?
- 実績やデータはあるか?
- 専門家の意見はどうか?
根拠がない主張は、信頼性が低い。
ステップ3:反対意見を探す
意図的に、反対意見や否定的な情報も探してみよう。
なぜ反対意見を探すのか?
人間には確証バイアスという心理があり、自分の信じたい情報ばかりを集めてしまう傾向がある。だから、意図的に反対意見を探すことで、バランスの取れた判断ができるんだ。
批判的思考を深めるには、心理学や行動経済学の知識も役立つ。人間がどのように判断を誤るのか、どんなバイアスがあるのかを知れば、自分の思考の罠にも気づけるようになる。
ステップ4:自分の頭で考える
最終的には、集めた情報をもとに自分の頭で判断しよう。
考えるべきこと:
- 自分の状況に当てはまるか?
- リスクとリターンは何か?
- 他の選択肢はないか?
情報を集めるだけでなく、自分で考えて判断することが大切だ。
ステップ5:実践して検証する
批判的に考えた結果、これが良いと判断したら、実践して検証しよう。
前回学んだ仮説思考と組み合わせることで、より確実に正しい答えに近づける。
批判的思考を鍛える日常習慣
習慣1:なぜ?と5回聞く
日常の中で、なぜ?を繰り返す習慣をつけよう。
- なぜこれが常識なのか?
- なぜみんなこう言っているのか?
- なぜ自分はこう思ったのか?
この習慣が、批判的思考の基礎を作る。
習慣2:ニュースを多角的に読む
同じニュースを、複数のメディアで読んでみよう。
メディアによって、切り口や強調するポイントが違う。それを比較することで、より客観的に事実を把握できる。
習慣3:反対意見の本を読む
自分と反対の意見を持つ人の本を、あえて読んでみよう。
自分の考えが揺らぐかもしれない。でも、それこそが思考を深めるチャンスなんだ。
読書は批判的思考を鍛える最高のトレーニングだ。特に、自分と違う視点や専門的な知見に触れることで、思考の幅が広がる。月に1〜2冊、自分の視野を広げる本に投資することをおすすめする。
習慣4:議論する
友人や同僚と、あるテーマについて議論してみよう。
ただし、相手を言い負かすのではなく、お互いの考えを深めることが目的だ。
批判的思考の注意点
注意点1:批判ばかりしない
批判的思考は、否定するためのものではない。より良い判断をするためのツールだ。
批判ばかりしていると、周りから嫌われるし、自分も疲れてしまう。バランスが大切だ。
注意点2:完璧を求めすぎない
すべての情報を批判的に検証していたら、時間がいくらあっても足りない。
重要な判断のときに批判的思考を使い、日常の小さな判断では直感も活用しよう。
注意点3:行動を止めない
考えすぎて行動できなくなるのは本末転倒だ。
80%の確信が得られたら、あとは行動しながら修正していこう。
まとめ|批判的思考で本質を見抜く

なるほど。批判的思考って、ただ疑うんじゃなくて、より良い判断をするためなんですね

その通り。表面的な情報に惑わされず、本質を見抜く力なんだ

でも、常識を疑うって勇気いりますよね

確かにね。でも、自分の頭で考えて判断できるようになれば、人生の主導権を握れるんだよ

わかりました。まずは小さなことから疑問を持ってみます

いいね。次回は、ここまで学んだ思考力を統合して、戦略的に考える方法を教えよう
今日のポイント
- 批判的思考は、常識を疑い本質を見抜く思考法
- 前提、情報源、論理、視点、データの5つを疑う
- なぜ?を繰り返し、多角的に考える習慣をつける
- 批判ばかりせず、より良い判断のためのツールとして使う
- 考えすぎて行動が止まらないよう注意する
批判的思考を身につければ、情報に踊らされず、自分の頭で判断できるようになる。次回は、これまで学んだ思考力を統合し、戦略的に考える方法について学んでいこう。
次回予告:【思考力 第7回】戦略的に考える|目標達成を加速させる思考の設計

