はじめに|大きく始めて、大きく挫折する

センパイ、どうすれば継続することができるんですか?

いい質問だね。今日は、継続力の最も重要な技術を教えるよ

最も重要な技術、ですか…?

そう。それは、バカバカしいほど小さく始めることだ

バカバカしいほど、ですか

そう。みんな大きく始めすぎるから、続かないんだ
多くの人は、意気込んで大きく始める。
明日から毎日1時間ランニングする。毎日英語を2時間勉強する。毎日本を1冊読む。
でも、3日で挫折する。
なぜなら、ハードルが高すぎるからだ。
今日は、小さく始める技術を学び、継続の第一歩を踏み出そう。
なぜ小さく始めると続くのか
理由1:脳の抵抗が少ない
前回学んだように、脳は変化を嫌う。
大きな変化には、大きな抵抗がある。
でも、小さな変化には、抵抗が少ない。
大きな変化:
- 毎日1時間ランニング → 脳「無理!」
- 毎日2時間勉強 → 脳「しんどい!」
- 毎日本を1冊 → 脳「無理!」
小さな変化:
- 靴を履くだけ → 脳「それくらいなら…」
- 教科書を開くだけ → 脳「それならできる」
- 1ページだけ読む → 脳「簡単だ」
小さければ小さいほど、脳の抵抗は少なくなる。
そして、始めやすくなる。

なるほど、脳を騙すんですね!

そう!脳に「これは簡単だよ」と思わせるんだ
理由2:始めてしまえば、続けられる
人間には、作業興奮という現象がある。
やる気がなくても、始めてしまえば、やる気が出てくる。
東京大学の研究によれば、5分間行動すると脳が活性化し、やる気が自然と湧いてくるという結果が出ている。
作業興奮の例:
- 靴を履く → そのまま散歩に出る
- 教科書を開く → 1ページ読んだら、もう1ページ読みたくなる
- 1回腕立て伏せ → 10回やってしまう
始めるのが一番大変。
でも、始めてしまえば、意外と続く。
だから、始めるハードルを極限まで下げるんだ。

確かに、始めちゃえば意外とできることありますね

その通り。だから、とにかく始めることが大事なんだ
理由3:小さな成功体験が自信になる
小さくても、できたという事実が大事だ。
大きな目標:
- 1時間走る → 30分で挫折 → 失敗した → 自信を失う
小さな目標:
- 靴を履く → できた → 成功した → 自信がつく
小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつく。
そして、もっとやりたくなる。
テレサ・アマビール(ハーバード大学)の研究によれば、小さな成功を認識することが、モチベーション向上の最大の要因という結果が出ている。
小さく始める具体的な方法
方法1:1分ルール
何かを始めるとき、まず1分だけやる。
1分なら、誰でもできる。
1分ルールの例:
- ランニング → 1分だけ走る
- 筋トレ → 1分だけストレッチ
- 勉強 → 1分だけ教科書を見る
- 掃除 → 1分だけ片付ける
- 瞑想 → 1分だけ座る
1分やって、やめてもいい。
でも、1分やれば、たいていそのまま続く。

スタンフォード大学のBJ Fogg博士が提唱する「タイニーハビット」という手法だね

タイニーハビット、ですか?

そう。とても小さな習慣という意味だ。この考え方について書かれた本も参考になるよ
方法2:プレップルール
行動そのものじゃなくて、準備だけする。
準備なら、もっと簡単だ。
プレップルールの例:
- ランニング → 靴を履く
- 筋トレ → ウェアに着替える
- 勉強 → 机に座る
- 読書 → 本を開く
- 料理 → 材料を出す
準備ができたら、そのまま本番に入ることが多い。
でも、準備だけで終わってもいい。
準備をしただけで、今日は成功なんだ。

いいんだよ。準備すら大変なときもある。それができただけで十分
方法3:2分ルール
デビッド・アレンが提唱する2分ルールというのがある。
2分以内でできることは、すぐにやる。
2分ルールの応用:
- 習慣にしたいことを、2分でできるバージョンにする
例:
- 本を読む → 2分だけ読む
- 運動する → 2分だけストレッチ
- 日記を書く → 2分だけ書く
2分なら、忙しくてもできる。
疲れていてもできる。
やる気がなくてもできる。

2分って、あっという間ですね

そう。だから、言い訳ができないんだ
方法4:if-thenプランニング
いつ、何をするか、事前に決めておく。
if-thenプランの公式: もし○○したら、△△する
例:
- もし朝起きたら、腕立て伏せを1回する
- もし歯を磨いたら、スクワットを5回する
- もしコーヒーを入れたら、英単語を1つ覚える
- もし昼食を食べたら、5分散歩する
行動のトリガーを設定することで、忘れにくくなる。
ニューヨーク大学の研究によれば、if-thenプランを使うと実行率が91%高くなるという結果が出ている。

既存の習慣とセットにするんですね

その通り。すでにやっていることに乗せるから、忘れないんだ
方法5:最小勝利単位を設定する
その日の最小勝利単位を決める。
これができたら、今日は成功。
最小勝利単位の例:
- ランニング:靴を履いた
- 勉強:教科書を開いた
- 筋トレ:ウェアに着替えた
- 読書:本を1ページ読んだ
- ブログ:1行書いた
これなら、どんなに疲れていても達成できる。
どんなに忙しくても達成できる。
毎日、小さな勝利を積み重ねる。
それが、継続力を生む。
小さく始めることの心理的効果

効果1:完璧主義から解放される
小さく始めると、完璧主義から解放される。
1時間走らなくてもいい。
1分走るだけでいい。
完璧にできなくても、小さくできればOK。
この考え方が、継続を楽にする。
効果2:失敗への恐怖がなくなる
大きな目標は、失敗が怖い。
でも、小さな目標は、失敗が怖くない。
靴を履くだけなら、失敗しようがない。
1分走るだけなら、誰でもできる。
失敗への恐怖がなくなると、行動しやすくなる。
効果3:自己肯定感が上がる
毎日、小さな目標を達成する。
毎日、成功体験を積む。
これが、自己肯定感を上げる。
自分はできる人間だ。
そう思えるようになる。
小さく始めた後の注意点

注意点1:無理に大きくしない
小さく始めて、続くようになる。
すると、もっとやりたくなる。
でも、急に大きくしてはいけない。
悪い例:
- 1分走るのが続いた → 明日から30分走る
良い例:
- 1分走るのが続いた → 次は3分走る → 次は5分走る
少しずつ、ゆっくり増やす。
急激に増やすと、また挫折する。

ゆっくりでいいんですね

むしろ、ゆっくりの方がいい。急がば回れだ
注意点2:小さいままでもいい
ずっと小さいままでもいい。
1分走るだけ。
1ページ読むだけ。
それが続くなら、それでいい。
小さくても、続けることに意味がある。
0よりずっといい。

でも、いつかは大きくしたいです!

その気持ちになったときに、大きくすればいい。焦る必要はないよ
注意点3:できなかった日があってもいい
小さく始めても、できない日がある。
それでいい。
完璧じゃなくていい。
できなかった日があっても、次の日からまた始める。
2日連続でサボらなければ、習慣は崩れない。
1日サボったら、次の日は必ずやる。
それだけ守れば、継続できる。
小さく始める実践例
実践例1:ランニングの場合
最小行動:靴を履く
1週目:靴を履くだけ 2週目:靴を履いて外に出る 3週目:1分だけ歩く 4週目:1分だけ走る 5週目:3分走る 6週目:5分走る
3ヶ月後には、30分走れるようになる。
急がず、ゆっくり、確実に。
実践例2:英語学習の場合
最小行動:英単語帳を開く
1週目:英単語帳を開くだけ 2週目:1単語だけ覚える 3週目:3単語覚える 4週目:5単語覚える 5週目:10単語覚える
3ヶ月後には、毎日30単語覚えられるようになる。
実践例3:筋トレの場合
最小行動:ウェアに着替える
1週目:ウェアに着替えるだけ 2週目:腕立て伏せ1回 3週目:腕立て伏せ5回 4週目:腕立て伏せ10回 5週目:腕立て伏せ10回×2セット
3ヶ月後には、本格的な筋トレメニューができるようになる。
まとめ|継続は小さな一歩から生まれる

センパイ、小さく始めるって、すごく大事なんですね

一番大事だよ。これができれば、ほとんどのことが続けられる

じゃあ、僕も明日から1分だけランニングしてみます!

いや、靴を履くだけでいいんだ

えっ、それだけでいいんですか?!

それだけでいい。1分走るのも、まだハードルが高い。まずは靴を履く習慣をつけよう

分かりました。靴を履くだけなら、絶対できます

その調子。次回は、継続するための環境の作り方を教えよう
今日のポイント
- バカバカしいほど小さく始める
- 1分ルール、プレップルール、2分ルールを使う
- 最小勝利単位を設定する
- 小さな成功体験が自信を生む
- 急に大きくせず、ゆっくり増やす
- 小さいままでもいい、続けることが大事
- 2日連続でサボらなければOK
ヒビキ継続力は、小さく始めることから生まれる。
大きく始めて大きく挫折するより、小さく始めて小さく続ける。
そして、気づいたら大きな成果になっている。
それが、継続の真実だ。
次回予告:【継続力 第3回】環境を整える|続く仕組みを作る技術

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