はじめに|モチベーションは信頼できない

センパイ、モチベーションが上がらない日は、どうすればいいですか?

いい質問だね。でも、そもそもモチベーションに頼るのが間違いなんだ

え、モチベーションって大事じゃないんですか?!

もちろん大事だよ。でも、モチベーションは不安定だ。だから、モチベーションに頼らず行動できる仕組みを作る必要があるんだ
多くの人が、モチベーションが上がらないから行動できないと考える。でも、プロフェッショナルは違う。
モチベーションがあってもなくても、行動する。
今日は、モチベーションに頼らず、自動的に行動できる技術を学んでいこう。
モチベーションの真実

モチベーションは波がある
モチベーションは、感情だ。 感情は、常に変化する。
朝は高くても、夜には下がる。 月曜日は高くても、金曜日には下がる。
天気、体調、出来事によって、簡単に変動する。
デューク大学の研究によれば、モチベーションの高さと実際の行動量には、ほとんど相関がないという結果が出ている。
つまり、モチベーションが高くても行動しない人もいれば、モチベーションが低くても行動する人もいる。
プロとアマの違い
アマチュア:モチベーションがあるときだけ行動する
プロフェッショナル:モチベーションに関係なく行動する
作家は、インスピレーションがなくても書く。 アスリートは、やる気がなくてもトレーニングする。 ビジネスパーソンは、気分が乗らなくても仕事をする。
プロフェッショナルは、感情に左右されない仕組みを持っている。

センパイ、でもモチベーションがないと、続けられないんじゃないですか?

そう思うよね。でも実は、行動することでモチベーションが生まれるんだ。順番が逆なんだよ
行動を自動化する5つの原則
原則1:決断の回数を減らす
毎日、今日やるかやらないかを決めていると、意志の力を消耗する。
バラク・オバマ元大統領は、毎日同じスーツを着ていた。 スティーブ・ジョブズも、毎日同じ服を着ていた。
なぜか?
決断の回数を減らすためだ。
コーネル大学の研究によれば、人間は1日に約35,000回の決断をしているという。そして、決断の回数が増えるほど、判断力が低下する。
これを決断疲れという。
対策: 筋トレをやるかやらないかを決めない。 朝6時になったら、自動的にやる。
決めるのは1回だけ。 毎日決めない。
原則2:アイデンティティベースの習慣
行動ベースの目標:毎日腕立て伏せをする
アイデンティティベースの目標:私は、健康的な生活を送る人間だ
スタンフォード大学の心理学者ジェームズ・クリアーの研究によれば、アイデンティティベースの習慣の方が、行動ベースの習慣より継続率が高いという結果が出ている。
なぜか?
行動ベースの目標は、外的な動機。 アイデンティティベースの目標は、内的な動機。
私は筋トレをする人間だ。 私は本を読む人間だ。 私は早起きする人間だ。
このように、自分のアイデンティティとして定義すると、行動が自然になる。
原則3:実装意図(Implementation Intention)
いつ、どこで、何をするかを具体的に決める。
これを実装意図という。
ニューヨーク大学の心理学者ピーター・ゴルウィッツァーの研究によれば、実装意図を持つ人は、持たない人に比べて目標達成率が2〜3倍高いという結果が出ている。
悪い計画: 今週筋トレする
良い計画: 月・水・金の朝6時に、リビングで、腕立て伏せ20回、スクワット20回、プランク1分をする
具体的であればあるほど、実行率が上がる。
行動を自動化するには、科学的に証明された習慣化の技術を学ぶことが効果的だ。習慣化や行動科学の専門書を読めば、モチベーションに頼らず続けられる仕組みを作れる。
原則4:環境が行動を決める
意志の力ではなく、環境で行動をコントロールする。
マサチューセッツ工科大学の研究によれば、人間の行動の約90%は環境によって決まるという結果が出ている。
例: 冷蔵庫に健康的な食材しかなければ、健康的な食事をする。 リビングにダンベルがあれば、筋トレをする。 スマホが別の部屋にあれば、読書をする。
環境を整えることで、意志の力を使わずに行動できる。
やりたい行動を簡単にする環境:
- トレーニングウェアを枕元に置く
- 本をソファに置く
- 水筒をデスクに置く
やりたくない行動を難しくする環境:
- お菓子を買わない
- SNSアプリを削除する
- テレビのリモコンを別の部屋に置く
自宅でトレーニングを自動化するなら、器具を常に目につく場所に配置し、すぐに使える状態にしておくことが重要だ。準備の手間がゼロになれば、行動のハードルが劇的に下がる。
原則5:システムを作る
目標ではなく、システムを作る。
目標: 3ヶ月で体脂肪率を5%減らす
システム: 毎週月・水・金の朝6時に筋トレ 毎日タンパク質を体重×2g摂取 毎晩11時に就寝
目標は、結果。 システムは、プロセス。
システムを作れば、モチベーションに関係なく行動できる。
行動を自動化するための環境設計

レベル1:視覚的トリガー
やりたい行動に関連するものを、目につく場所に置く。
- トレーニングウェアを椅子に掛ける
- 本をテーブルに置く
- 水筒をデスクに置く
見えれば、思い出す。 思い出せば、行動する。
レベル2:準備の最小化
行動を始めるまでの準備を、限りなくゼロにする。
悪い環境: 筋トレをするために、ウェアを探して、器具を出して、場所を作る
良い環境: ウェアは着たまま。器具は出しっぱなし。場所は確保済み。
準備が必要なほど、行動のハードルが上がる。
レベル3:摩擦の追加
やりたくない行動に、摩擦を加える。
例:SNSを減らしたい
- アプリを削除する(摩擦1)
- ログアウトしておく(摩擦2)
- スマホを別の部屋に置く(摩擦3)
摩擦が多いほど、行動しにくくなる。
モチベーションに頼らない記録システム

シンプルな記録が最強
複雑な記録は続かない。 シンプルな記録が最強だ。
カレンダーにチェック: 実行できた日に、カレンダーにチェックを入れる。
これだけ。
でも、これが驚くほど効果的だ。
連続記録が途切れるのが嫌になり、継続できる。 これをチェーン効果という。
進捗の可視化
目に見える進捗があると、モチベーションが維持される。
可視化の方法:
- グラフで記録
- 写真で記録
- 数値で記録
プリンストン大学の研究によれば、進捗を可視化する人は、しない人に比べて継続率が50%高いという結果が出ている。
モチベーションが下がったときの対処法

対処法1:2分だけやる
やる気が出ないときは、2分だけやる。
2分やれば、そのまま10分、20分と続くことが多い。
大切なのは、完璧にやることではない。 とにかく始めることだ。
対処法2:最低ラインを決める
調子が悪い日のための、最低ラインを決めておく。
通常: 腕立て伏せ30回、スクワット30回、プランク2分
最低ライン: 腕立て伏せ5回、スクワット5回、プランク30秒
最低ラインを達成すれば、習慣は維持される。
対処法3:なぜやるのかを思い出す
目的を思い出す。
なぜ筋トレを始めたのか。 なぜ読書をしたいのか。 なぜ早起きをするのか。
理想の自分を思い出すことで、モチベーションが復活する。
まとめ|感情に左右されない仕組みを作る

なるほど。モチベーションに頼らず、仕組みで動くんですね

その通り。プロフェッショナルは、感情に左右されない

環境を整えれば、自動的に行動できるんですね

そう。意志の力には限界があるけど、環境の力は無限なんだ

わかりました。今日から仕組みを作ります
今日のポイント
- モチベーションは不安定。だから頼らない
- 決断の回数を減らし、アイデンティティベースの習慣を作る
- 実装意図で具体的に計画し、環境で行動をコントロールする
- システムを作り、記録をシンプルにする
- モチベーションが下がったら、2分だけやる、最低ラインを守る
ヒビキモチベーションに頼らず、自動的に行動できる仕組みを作れば、感情に左右されず継続できる。次回は、時間がないという言い訳を消し去る、時間管理の技術について学んでいこう。
次回予告:【行動力 第6回】時間がないという言い訳を消す|時間を作る技術


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